猫の手も借りたい、いそがしいあなたにも。 腕が2本じゃ足りない、よくばりなあなたにも。 それなら、しっぽはいかがです?
「さあ、よってらっしゃい! ほんじつかいてん しっぽやです!」
あやしいフードの男の人が、屋台で売ってるいろんな「しっぽ」!
「いっぽんあると べんりですよ。かさもさせるし、せなかも かけます」
便利なしっぽは、あっという間に完売御礼!
町中の人がしっぽでオシャレ! そしてうれしいときには、しっぽをフリフリ! ああ、もっといろんなしっぽがほしい!
「しっぽや」は大繁盛になりましたが、そこから思わぬ展開に!?
もしも、好きなしっぽを選んで、体につけることができたら? しかも、おとなも子どもも、町中の人がしっぽをつけてる! そんな、たのしい想像を描いた絵本! ……なのですが、たのしいだけではおわりません。
じつは、あやしい「しっぽや」の正体は「まほうつかい」ならぬ「あほうつかい」。しっぽが生えてて、けむくじゃら。ずるがしこくて、ちょっとあくどい。でも、やってることは「しっぽを売る」だけ。なんともナゾな生き物(?)です。
それが欲を出して、売ってはいけないしっぽを売ったものだからたいへん!
町中の人々がしっぽのせいで、しっちゃかめっちゃか大騒動! しっぽもいいことばかりじゃないと思い知った人間たちですが、そのころにはすっかりしっぽに慣れてしまっていて──? かわいらしいオチに、思わずくすりとさせられます。
しっぽがあったらなにをする? 絵本の外でも想像のふくらむ、ワクワクな一冊です。
(堀井拓馬 小説家)
公園に突如としてあらわれた、見るからにあやしいフードの男……。男が引いている屋台には、「しっぽや」の看板。そう、この男が売るのは、専用ののりをつけるとピタリとおしりに貼りつき、自由自在に動かせるという、なんとも不思議なしっぽ。そんなもの、いったい何に使うの!? しかし軽妙な売り文句に、たちまちしっぽはソールドアウト! 町はしっぽをつけた人でいっぱいになりました。ところが……。
フードを被った怪しい男がやっている屋台「しっぽや」のお話です。
色々なしっぽを作っているしっぽやさんですが、とうとう本物の動物たちのしっぽまで売ってしまいます。
しっぽをお尻につけるための“しっぽのり”や取るための“しっぽコロリ”等、面白い薬が出てくるので子ども達も喜んで見ていました。
とっても怪しいしっぽやの男ですが、結局、正体が分からないままなので、続編が見たくなりました。
(さくら嵐♪さん 30代・せんせい )
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