「1」でカメが砂を掘り、「2」で魚が川で泳ぎ、「3」でツグミが歌を歌い、「4」でビーバーが水にもぐる。ページをめくるごとに場面が変わり、野原に暮らすさまざまな生きものの親子が映し出されます。「1」から「10」まで、子どもの数が一つずつ増えていくという楽しい展開。どのページにも無邪気な子どもと、それを見守るおかあさんの姿があります。
アメリカの伝統的な数え歌をもとにしたオリーブ・A・ワズワースの詩に、エズラ・ジャック・キーツが落ち着いた色合いのイラストを添えています。『ゆきのひ』や『ピーターのいす』などで知られるキーツは、コラージュの名手。こちらの作品も本物の植物を使って、美しい自然の世界を生き生きと表現しています。訳者は詩人であり、こどば遊びの絵本もたくさん執筆している石津ちひろさん。声に出して読みたくなるリズムの良い文章で、生き物たちが発する声や野原の中の自然の音を上手に伝えてくれます。
「10」まで読んだらまた「1」に戻って読み返したくなる、味わい深い作品。広い野原でのびのびと暮らす美しくて楽しい生きものたちに、何度でも会いに行ってくださいね。
(出合聡美 絵本ナビライター)
アメリカの昔ながらのかぞえ歌をもとにした文章にエズラ・ジャック・キーツが絵をつけました。のはらに暮らすカメや、さかな、バッタなど身近な生き物の親子が1ページごとに登場し、ページをめくると、子どもの数が1ぴきずつ増えていきます。子どもをみまもる母親のまなざしと無邪気な子どもたちの姿がキーツさんの本物の植物を使った美しいコラージュ絵、石津ちひろさんのあたたかい訳で、生き生きと描かれています。
1から10までのかぞえうた。色々ないきものの親子がでてきて、ほっこりします。やけに植物がリアルだな、と思ったら、本物の植物を使ってのコラージュなんですね! 素敵です! いきいきとした生きものたちも魅力的に描かれていました。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
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