名作に登場する、色にまつわる美しい日本語に北斎の絵や写真などが添えられた、 子どものことばの力を育てる新シリーズ! 監修は辞典編集一筋の神永曉氏。
「ちはやぶる 神世も聞かず たつた河 から紅に 水くゝるとは」(在原業平「古今和歌集」より) この有名な一首の、「からくれない」ってどんな色? くれない、あかね、しゅ……。赤といっても日本にはたくさんの色があります。 茜という植物の根や、紅花の花から取り出した色など、古くから自然のなかに色を見いだしてきた日本人の、自然と親しむ心を「いろ」から知ることができます。 ジャパンブルーとよばれ、日本を代表する色とも言われている「藍」にしても、藍からつくりだされる色ひとつひとつに、瓶(かめ)覗(のぞ)き〜水色〜浅(あさ)葱(ぎ)色〜縹(はなだ)色〜紺色と、微妙な青の違いを楽しんでいた、豊かな文化が感じられます。
言葉を獲得することは表現する力を大きく育むことにつながります。 シリーズ第一作「そら」につづき、先人たちの自然への豊かなまなざしを感じて、その心や文化を知ることができる「いろ」にまつわる言葉を集めました。
「藍」には葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」、「群青色」には尾形光琳「燕子花図屏風」など、美しい写真や絵を選び抜き、ことばのイメージを広げるビジュアルも豊富な一冊です。
たとえば、ひとくくりに「赤」と言っても微妙に色合いの違いを感じることがあります。それを何色と表現すればいいのか、ピッタリの言葉を持っていないのですが、この絵本では、さらに深みを持って色を感じることができました。
色の表現として納得できる言葉、はじめて知る言葉、言葉から連想できない色、様々に眺めながら、なんと日本語は豊かなのだろうと感心しました。
使ってみたい言葉もいっぱいあったのですが、表現とその色をセットで覚えていないと、間違いも起こりそうですね。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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