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平和な日常に飽き足りないカエルたちは「つよい おうさまを ください」と天の神に祈ります。そこで与えられたのは急ごしらえの丸太。うんともすんともしない丸太では王様にはならないと考えて、もう一度、神様にお願いします。二度目に現れたのは…。イソップ再話で描く、現代に響く、与えられ管理された「自由」へのアンチテーゼ。
カエルのくににつたわるおはなし、と副題にあります。
イソップ寓話を、平和問題を扱う作品も多いアーサー・ビナードさんが再話しています。
スズキコージさんの迫力ある絵が、この世界観を体現しています。
湧き水の沼地にあるカエルの国のおはなし。
「平和ボケ」に疑問を抱いたカエルたちの皮肉な顛末です。
天の神に、「強い王さま」を望んだカエルたち。
神の微笑みがなんとも皮肉です。
丸太大王というのが、何とも暗示的です。
もちろん、物足りなくて、「もっと強い王さま」を望んだ結果が、
コウノトリ大王。
カエルたちの悲鳴のオノマトペが、アーサー・ビナードさん流。
平和とは?
自由とは?
考えさせられる作品です。 (レイラさん 50代・ママ 男の子29歳、男の子26歳)
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