「ひとり ひとり みんなで つくる世界は きっと 息をのむほど 美しいのだから。」(訳者 内田也哉子 あとがきより) ***
●「やぁ、ぼくは点だよ! ここには友だちもいて 食べ物も 楽しいこともいっぱいある」 ○「こんにちは、わたしは点です。ここには住むところも 食べるものも 楽しむことも ありません」
それぞれの環境が異なる、黒い点と白い点。 救いの手を差し伸べ、ともに生きることはできるのか?
点というモチーフを用いて、難しい移民難民問題について、お子さんが直感的に理解し考えることを促す翻訳絵本。 貧困や差別、人種、難民など世界規模の問題を「他人ごと」ではなく「自分ごと」として捉えることが求めらている現代。 この絵本は、「連帯」「共助」「思いやり」などについて話しをするきっかけになってくれます。 グラフィカルで手描きのおしゃれなデザインは、大人も楽しめる、世代を超えた一冊です。
訳者は海外在住経験もあり、樹木希林との共著『9月1日 母からのバトン』(ポプラ社)、脳科学者・中野信子との共著『なんで家族を続けるの?』(文春新書)、翻訳絵本に『たいせつなこと』(フレーベル館)をはじめ、多くの出版社で絵本などを手掛ける内田也哉子氏。
白い点と黒い点が、何を象徴しているのかを考えると、いろいろに読み取れる本です。
差別、格差、民族、ジェンダー、思想、…。
黒い点の自分には多くの仲間がいて、社会を構成しています。
白い君にも多くの仲間がいて、また違う社会を構成しています。
2つの世界が融合していく過程を、黒い点と白い点だけで、戯れるようにして表現した絵本です。
最後に、白黒半分の点が登場する所が、この本の到達点でしょうか。
わかり合うこと、認め合うこと、ともに生きることの到達点は融合です。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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