あなたが生まれるまでの10か月って、どんな世界か想像できる?
命のもとになる卵子は、お母さんが生まれた時から体の中にあって、あなたが生まれる9か月半前に精子と出会い、「受精卵」というたまごになったんだ。その時のたまごの大きさはたった0.1ミリメートル、重さは100万分の3グラム。そこから、子宮と呼ばれる場所に移動して、ゆっくりと少しずつ大きくなっていく。
生まれる8か月前、お母さんが妊娠に気づく頃のあなたは、サクランボくらいの重さ。7か月前になると、目や耳、手や足、口や歯ができはじめて人らしくなってくる。重さはまだイチゴくらい。さらに胎盤ができあがり、耳が聞こえるようになり、呼吸の練習を始め、そうして大きさも少しずつ変化していくのです。
こんな風に1か月1見開きを使って、胎児の状態や体の中と外の様子を丁寧に説明していってくれるこの絵本。具体的になればなるほど、その世界は神秘的に感じられます。さらに胎児の大きさを果物で例え、居場所を宇宙や森や海の中などの自然の風景として描く絵はファンタジックかつダイナミック。この世に生まれてくることの奇跡や喜びを感じずにはいられなくなります。270日かけて、たったひとつの細胞が、たったひとりのあなたになる。なんて素敵なできごとなのでしょう。
「赤ちゃんはどうやって生まれてくるの?」
小さな子どもたちの中に生まれたこの疑問や好奇心は、年齢を重ねるにつれ、どんどん大きくなっていくことでしょう。自分のお腹の中で大きくなっていく我が子を思いながら、読む方もいるでしょう。巻末にはさらに詳しい解説も付いています。その感動の瞬間を、じっくりと実感してみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
誕生までの10ヶ月って、どんな世界?胎児の成長を、果物の大きさになぞらえながら温かく見守っていきます。1ヶ月1見開きで、胎児の状態と母親の状態の両方を紹介。最後に詳しい解説も。生命の不思議にふれる美しい絵本です。
命が生まれ、赤ちゃんとなって誕生するまで、母親の胎内では何が起きているのだろう。
胎児の大きさを果実になぞらえて、胎児のいる空間をとても神聖な空間として、さわやかに描いていて、その尊さを実感できる絵本です。
命の大切さ、自分の大切さを感じました。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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