暑い夏の日、庭の小さなプールで遊んでいると、大きな海にいるように思えてきました。コーラルは世界じゅうの海へと、泳ぎだしていきます。
とても暑い日の午後。
庭に出してあるビニールプールの水は、お日様ととっても仲良し。ちいさなさざ波をつくりながらいたずらっぽく笑っています。きらきらとまぶしく輝いて、「ねっ、泳ご!」と誘っているかのようです。
さっそく飛び込んだ少女コーラル。うーん、いい気持ち! そして、ぽっかり水面に突き出した自分のお膝に目をやれば、それは大きな海に浮かぶ島のよう。…眺めているうちに、あらっ、心は世界一周の旅の扉をたたいていた…!
夏らしく涼しげで美しい色使いで繰り広げられる、コーラルの海の旅。小さなビニールプールで遊ぶ子どもたちの中には、だれの心にも、こんな広い広い海がひろがっているに違いないのでしょうね。想像力ひとつあれば、他には遊び道具なんてなぁんにも要らない。無邪気な少女の元気いっぱい豊かな午後を、あんまり楽しく描いているので、このでっかく成長してしまったいいトシしたオトナも、も一度きらきらささやくビニールプールでのんびり遊んでみたいもんだとさえ思ってしまったほどです。(赤面)
そんなですから、素直に子どもたちの共感を呼ぶんじゃないかなと思っています。 (あしたはいい日さん -・絵本紹介サイト )
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