もし、自分が作ったクッキーが動き出したら?そんな夢のようなことが、ある日りさちゃんに起こります。りさちゃんが作った王さまの形をしたクッキー。オーブンをあけると「あち、あちち!」と王さまが飛び出してきました。王さまは、強気でちょっといばりんぼ。けれど「わたしはクッキーのおうさまだ ホー!こんがりやけたおうさまだ ホー!」なんて歌まで歌って、なんだかごきげんなのです。すぐにりさちゃんの家に慣れて、そのまま一緒に住むことになりました。
けれど、さすがは王さま。王さまに足りないものを次々に思いつき、空き箱でなかなか立派なお城を作ったり、文房具の家来を従えたり、あれこれたからものをそろえていきます。でもお城と家来とたからものがそろっても、まだ何か大事なものが足りない気がして元気がなくなっていく王さま。またまた、りさちゃんの出番のようですよ。
作ったクッキーが動き出すという設定を聞いただけでも、女の子が夢中になっちゃいそうなこちらのお話。作者は、いつも日常の中に不思議が混在する楽しいファンタジー作品を数多く生み出されている竹下文子さん。さし絵は、かわいくて優しいタッチの絵が子ども達に大人気のいちかわなつこさん。小学校の図書室でも常に貸出中だったこちらのお話は、とことん子ども達の気持ちに寄り添っていて、はじめての読み物に挑戦する子ども達にも、抵抗なく読めてしまうこと間違いなしです。
読んでいるうちにどんどん愛着がわいてしまうクッキーの王さま。王さまの今後が気になったら、つづく『クッキーのおうさま そらをとぶ』『クッキーのおうさま えんそくにいく』も合わせて読んでみて下さいね。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
おうさまの形のクッキーが動き出して、空き箱でお城を作ったり、台所を冒険したり。でもある日!?やわらかな絵の、楽しい幼年童話。
手と足の短い太っちょの人形のクッキーをリサちゃんが作りました。
これが「クッキーのおうさま」と、頭に冠ものせて、オーブンに・・・
焼きあがると、「あち、あち、あちち。」とクッキーのおうさまが飛び出してきて、物語が始まっていきます。
ちょっと偉そうなおうさまだけど、リサちゃんとのやり取りが、とてもおもしろい。
わたしは クッキーのおうさまだ ホー!
こんがりやけた おうさまだ ホー!
何度か出てくる この歌が、子供にはおもしろいみたい。
文字も大きくて、一年生でも一人で読める本です。
シリーズに 〇クッキーもおうさま えんそくにいく
〇クッキーのおうさま そらをとぶ があります。 (みっちー77さん 30代・ママ 男の子7歳、女の子4歳)
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