大きなハンバーグにごはんにお味噌汁。家族で囲む晩ごはん。ぼくは、思いっきりたべて、うんこして、ねる。生まれたばかりの妹も、一緒に暮らすねこもきんぎょも、みんなたべて、うんこして、ねる。
大きくなったぼくたちは、公園に遊びに行くようになっても、学校に通うようになっても、たべて、うんこして、ねる。友だちも一緒に、たべて、うんこして、ねる。少し悲しいことや、寂しいことがあった時も、やっぱりぼくらは、たべて、うんこして、ねるのだ。
人は毎日たべて、うんこして、ねる。みんなそうして生きている。当たり前のことだけれど、そんな日々の営みを真ん中に置いたこの絵本を読んでいると、生きるって「たべて、うんこして、ねる」ことなんだと改めて思うのです。絵本を読んでいる子どもたちもみんな、「たべて、うんこして、ねる」毎日を送っているのです。そんなことを思うだけで、もうすべてが愛おしくなってくるのです。
作者は、食と人をテーマに創作活動を続ける夫婦ユニット、はらぺこめがね。食欲をそそる迫力の食べ物が登場するシーンはもちろん、暮らしの中でまっすぐに力強く生きていく子どもたちの姿がとても印象的で心に残ります。彼らを包み込む日常の風景一つ一つまでもが読む人の心を力づけてくれる、そんな心強い一冊になっているのではないでしょうか。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
たべて、うんこして、ねる。食と人をテーマに創作活動を続ける夫婦ユニットはらぺこめがねが、コロナ禍中に見つめ直した愛おしい日々の営み。兄妹の成長と共に描く。
ずっと前から知っていて気になっていましたが、ある書店さんのインスタライブを見ていて、とても思いのこもった絵本紹介をされていて、とうとう手に取って読んでみることにしました。
ある家族が日常の基本的な生活(たべて うんこして ねる)が描かれていて、彼らの成長とその中で出会う別れがクライマックスに待っています。
別れがこんなにも悲しく、つらく、さびしく、涙が枯れそうになっても、日々のたべてうんこしてねる、という活動は変わらずそこにある、そんな当たり前の日常に気づかされる絵本です。
読み聞かせをした娘は、まだそうした悲しみへ目と耳を向けて聞いてはいませんが、場面によって食べている人は誰かな・どこかな、など探して楽しんだり。
また、寝る前に読んだこともあり、「ねぇ、たべたけどうんこしてない!だからねられない!」と順番を気にする様子もあり、純粋だなぁと母は楽しく様子を見ていました。
(みいつけたさん 30代・ママ 女の子4歳)
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