悪い魔法使いにさらわれた2人の姉を救い出すために、妹が知恵をめぐらせます。
ワンス・アポンナ・タイム・シリーズの一冊。
図書には児童書とあるのですが、なんとも衝撃的な作品でした。
『ペローの青ひげ』に近いものを感じさせる、殺人鬼が登場します。
魔法使いが娘を自分の屋敷に連れ込んで、一つの暗示を与えます。
これから自分は2、3日留守にする。
自分が出かけている間に、どの部屋を開けても良いが、絶対に入ってはいけない部屋が一つある、この部屋だけは開けてはいけない。
そう言いながら、すべての部屋の鍵の束を娘に預けます。
禁じられた部屋は死の部屋。
開けたら最後、娘は殺されてしまうのです。
3人の娘がいました。
上に二人は、その部屋を開けたために殺されてしまいます。
最後の娘が、この暗示に打ち勝って姉を生き返らせ、魔法使いと仲間たちを退治するのがこの話の骨格です。
それにしても、話をとても衝撃的に塗り込んだのが、アリスマン・マーシャルのおどろおどろしい絵。
子供向けにしては刺激が強すぎます。
芸術的ではあるかもしれません。
大人のホラー絵本としてはなかなかのものです。
グリム童話の深い闇に興味がある人には良いかもしれません。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子15歳)
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