ジュールとジムは、同じ日に同じ村で生まれた幼なじみ。 ジュールより2分早く生まれたジムは、いつもジュールより速く、強く生きてきました。 第一次世界大戦がはじまり、2人は兵隊に行きます。 しかし戦場は壮大で輝かしいものではなく、泥まみれでみじめなものでした。 いよいよ戦争をおわらせることは決まりましたが、11月11日11時、その時までジュールとジムは戦場へ出向くことを命じられます。そして―― 実際の出来事から着想を得て作られた、シンプルなメッセージが深く心に残る絵本です。
作者は『おなじ星をみあげて』(辻仁成 訳、春陽堂書店、2021年)でカナダの児童文学賞を受賞した人気作家ジャック・ゴールドスティン。軽快なタッチに比して、悲しい戦争のリアリティを伝えます。
表紙を見てわかる通り、絵は全体的にほんわかした感じです。
戦争ものというとどうしてもかまえてしまいますが、前半のほのぼのとした2人の子ども時代を見るとどんどん読み進んでいけます。
だんだんと戦場の過酷な現実が目の前に広がるように。生々しさはあるけれどリアル過ぎない、絶妙な描き方。
カナダに住む2人がイギリス軍として戦っています。今の日本人にとって、これを他人事だと考えるのはおかしいのでしょうか。
たくさんの人に読んでほしい本です。
子どもだけでなく、おとなの方々にも。
特に、いま。 (よし99さん 50代・その他の方 )
|