NHK等放送のドキュメンタリーでも話題! 部員たちとの日々の「軌跡」と最後の一年の「奇跡」を描いた、ノンフィクションノベル。
2021年夏、顧問の佐藤淳先生率いる北海道旭川商業高校吹奏楽部(旭商)は、全日本吹奏楽コンクール・全国大会への切符をかけて全道大会に参加していた。10年前の出場を最後に全国大会から遠ざかっていた旭商にとって、全道大会の通過は悲願であった。定年を迎える淳先生は、この年を最後に旭商を退職することになっていた。 「最後のコンクール」を終えた全道大会からの帰路、バスの車中にある旭商の部員と淳先生のスマホにあるメッセージが届いた。それは彼らの気持ちを一気に高め、全国大会への道が確かなものだと“思わせる”には十分すぎるものだった。しかし結果としてそれは「誤報」であり、全国大会への出場は叶わなかった。 しかし約一か月後、淳先生のもとに一本の電話が入る。それは旭商にとって思いもかけない、最高のクリスマスプレゼントになるものだった──。
この本には、旭川商業高校吹奏楽部と顧問・佐藤淳先生、そして歴代の部員たちが辿った29年分の『軌跡』、そしてそこからうまれた、ある『奇跡』の物語が鮮やかに描かれている。それぞれ考えていることも違う部員たちが、ある時は衝突し、ある時はすれ違う。吹奏楽経験者はちょっぴり苦くも懐かしい思い出として、現役吹奏楽部員は自身と重ね合わせて、また経験者でなくても、淳先生と部員たちがたどった「キセキ」の物語を体感することで、読後には「人生を変える」何かを、感じることができるかもしれない。
目 次 ・プロローグ 誤報 ・第1楽章 コロナとマラソンと東京藝大 ・第2楽章 夜明け ・第3楽章 どんなときでも凛として ・第4楽章 「奇跡」のステージ ・エピローグ 人は「響き合う生き物」だから 付録 合唱曲「夜明け」楽譜
著者 オザワ部長 1969年生まれ、神奈川県横須賀市出身。世界でただ一人の吹奏楽作家として、日々吹奏楽の素晴らしさを発信し続けている。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。在学中は芥川賞作家・三田誠広氏に師事。「あるある吹奏楽部」シリーズ(新紀元社)で一世を風靡、吹奏楽ドキュメンタリーの著書に『オザワ部長の吹奏楽部物語 翔べ! 私たちのコンクール』『中学生ブラバン天国』(学研プラス)、『吹部ノート』シリーズ(KKベストセラーズ)など。『美爆音!ぼくらの青春シンフォニー 習志野高校吹奏楽部の仲間たち』(岩崎書店)は吹奏楽ドキュメンタリー小説として新境地を拓き好評を博す。近著『吹奏楽新時代の指導メソッド』(学研プラス)。朝日新聞「My 吹部 Seasons」、クラシック音楽情報サイト『ぶらあぼONLINE』にて「ぶらあぼブラス!」連載中。執筆業以外にも各種メディアでの情報発信をはじめ、CDの選曲やコンサートの司会など多方面で活躍中。公式サイト「ブラボー吹奏楽部」。
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