400万年前、2本足で立ちあがり、歩き出してから、私たちは一歩、また一歩、何万年も旅してきた。
くつをはき、スキーやカヌーが発明され、他の大陸に移動し、気候の変動や災害などを理由に旅に出て、定住しない人たちもあらわれた。陸の上を、水の中を、空をわたって。
その目的もさまざま。知らない場所へ、自分だけの道をもとめて。海の底から世界のてっぺんまで、あるいは地球の果てまで。さらに遠く、未知の宇宙へと旅を続ける。時には迷い、方向を変え、自分を見失いそうになりながら。私たちは旅をする。地図やコンパスもなしに移動する生きものたちもいる。
新型コロナウィルス感染症が世界中にまん延し、人々の行動が制限された2020年にウクライナで刊行されたこの絵本。万物の行動原理である「動く」ことをテーマに、「移動」や「旅」「冒険」を、歴史や文化、人類の進化をたどりながら、壮大なスケールの物語を美しいビジュアルで見せてくれます。
新しい世界、出会い、自由。これは、一人ひとりが生みだしていく、自分だけの物語でもあるのです。私たちは旅を続けます。いつか懐かしい風景が見えるまで……。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
一歩、また一歩、わたしたちは何万年も旅してきた。 進化の過程による移動の歴史や、のりものの発明による手段の変化、探検、戦争、避難、巡礼、刊行…様々な目的によって、海底から山のてっぺん、空から宇宙まで、時に迷い、方向転換をし、歩んできた。風や水は自由に境界を超え、動物たちは地図もコンパスもなしに移動する。動くことにより、あたらしい世界をひらいてきたわたしたちの物語。 ウクライナの作家による、万物の移動を描いた絵本。
ビジュアル的にとても楽しい絵本です。
生き物は様々な意味で移動する旅人なのだと、再認識しました。
どれも、簡単なことではなくて、努力、工夫、克服によって道が開けるのかもしれません。
ちょっとした科学感覚で、自分たちの旅を見つめ直してみるのも、意味ある時間のように思います。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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