女の子が家の中で見つけたクモ。何回も会うので、女の子はクモを「もいち」と名付けました。すると、こわかったクモが気になる存在になっていきます。雨の日には「おひるねしてるのかな」、晴れた日には「もいちも はな すきかな」。近くに来たら叫んでしまうけれど、でも、じっとしているもいちは「かわいい」と女の子は思うようになります。苦手な生き物に少しずつ心を寄せていく幼い子の気持ちを、見事に描いた作品です。
表紙にひかれて読んでみました。家の中に、大きなクモがあらわれたことを、女の子の視点で書かれています。その心情の変化が伝わってきて、思わず共感してしまいました。ただ、私だったら、やっぱり大きなクモはぎょっとするので、なんとか、外へ出そうと奮闘してしまいますが……。独特の雰囲気の絵も迫力があって、印象に残りました。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
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