森のはずれに住んでいた3匹の元気なわんぱく子ウサギは、ある時、おそろしいクズリ(イタチの仲間)をからかって、カンジカおばあさん家に逃げこみ、そこで一緒に暮らすことになりました。おばあさんは狩りにいき、おいしいご馳走を作ります。子うさぎたちも狩りにいきたくて仕方ありませんでした。ある日、子ウサギたちはこっそり槍をもちだすと……。東シベリア少数民族の民話です。(こどものとも456号)
エヴェンキはロシア中部にある、寒さ厳しい自治区。
森に住む3匹のいたずらしろうさぎと、
ひとり暮らしのカンジカおばあさんとの
こころあたたまる言いつたえ話です。
このおばあさん、どうも魔法使いらしい。
薪を命令ひとつで歩かせたり、バケツに命じて水汲みさせたり。
火も、掛け声ひとつでおこします。
どこかの国のネズミさんが、アニメーションで同じことしてましたっけ。
魔法使いは実在するのか定かではありませんが
おばあさんなら歴として、母性を表すものなのでしょう、
しろうさぎへかけることばに、優しさが満ちていましたから。
きっとエヴェンキ村全体の、母親のようなひとなのかもしれませんね。
悪行のやまんばなどは、負の母性を顕すのだとか、
偉い大学の教授はおっしゃっていました。
小野かおる画伯の絵から、大自然の厳しさが伝わってきます。
やんちゃに生きる仲良し3匹しろうさぎは愛嬌たっぷり。
ヒヤヒヤさせますがいのちの伸びやかさ、いとおしさを運んできます。
民話は、語り継がれて欲しいと願うばかり。
再版されていないのは残念ですが
福音館さんに、感謝。 (もゆらさん 50代・その他の方 )
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