お母さんが寝ている間に抜け出して、ひとり庭へとやってきた子猫のちーすけ。ちょっと恐る恐るだけれど、目はまん丸に見開いて、好奇心いっぱい。
さっそく見つけたのはてんとうむし。その次はかたつむり。ちーすけも小さいけれど、かれらはもっともっと小さい生き物。ちーすけが近づいただけで、すぐに逃げていきます。てんとうむしは空へ、かたつむりは殻の中へ。みんなそれぞれ安全な場所があって、そこへ行くための手段もちゃんと持っているんです。では、ちーすけはどうでしょう。ちーすけにとって安心できる場所は? それはもちろん、あそこしかありませんよね?
作者は竹下文子さんと鈴木まもるさん。ふたりは『ティラノサウルスのはらぺこないちにち』や『せんろはつづく』など、これまでに何冊も絵本を共作されています。そよ風のように優しい文と猫の毛のようにやわらかな絵がぴったりと合わさって、とっても心地良い絵本です。ぜひゆったりとした気持ちで読んでみてくださいね。
(近野明日花 絵本ナビライター)
子ねこのちーすけ、初めての探検。庭の中でてんとう虫、かたつむり、あまがえる、すずめ、次つぎに見つけたけれど、みんなどこかに行っちゃった。静かな庭…。でも、本当はみんないるんだよ。安心な場所にいるんだよ。
小さな生きものを見つめる優しいまなざし、色鉛筆の柔らかなタッチで描かれた愛しい絵本。
表紙のねこの絵に惹かれてセレクト。
しかも題名がいい感じです。
お母さんねこが寝ている間に、お外に出かけたこねこのちーすけの冒険譚。
といっても、こねこの視点ですから、庭付近での生き物発見エピソード。
こねこらしく、好奇心いっぱいの様子がほほえましいです。
ちょっとしたハプニングもあるものの、ちゃんと安心な場所があるから大丈夫。
みんな「安心な場所」にいる、という気付きにほっこりです。
色鉛筆画が、とてもやさしいハーモニーです。 (レイラさん 50代・ママ 男の子30歳、男の子27歳)
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