色とりどりのシャボン玉が浮かぶ、その中で「いまの きぶんに ちかいいろは どれ?」「おとに したら どんな かんじ?」 とやわらかい言葉と色彩で問いかけます。
「やったー!」ってスキップしたくなるくらい心が動いたことは? くやしい、かなしい。のどの奥がぎゅーっとしたことは? 問われた子どもたちは内心うなずいたり、首をかしげたり、「そうかな……?」と考えたりしながら、不思議な心の中を探ってみるはず。
幼い子は、感情をうまく表現できなくて当たり前。泣いて、怒って、「どうしたの?」とたずねられて……。だんだん表現の仕方を覚えていきます。園や学校でも、言葉にするのが得意な子、なかなか口に出せない子、色々な子がいるでしょう。忙しい大人に遠慮し、どう言ったらいいかわからなくて面倒で不機嫌になっちゃう子もいるかも……。絵本を通じて、心の声に少しでも耳を傾けられたらいいですよね。
本書は、保育士や学校教諭、スクールカウンセラーなど現場の方から“子どもの気持ちを引き出す本”として好評だそう。人気作家えがしらみちこさんのみずみずしい水彩画は、眺めているだけで心がほどけます。えがしらさんは、『ようこそ こどものけんりのほん』(文 子どもの権利・きもちプロジェクト/白泉社)も手がけていますよ。
子どもたちの未来のために、広く存在を知ってほしい一冊です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
■子どもの心の声をひきだす絵本 自分の感情をうまくことばにできない子どもたち。どんなふうに問いかけたら心の声にそっと寄り添うことができるのか、真剣に考えました。
スクールカウンセラー、保育士、小学校教諭・・・ 子どもたちと接する人たちの声が続々!
保健室にくる子どもたちは、気持ちをうまく言葉にできずに友人とトラブルになったり、体調を崩してしまったりということもあります。そんな子どもたちが自分を表現する一つの手段になると思いました。(小学校養護教諭)
担任する一年生に読み聞かせました。子どもたちそれぞれが、自分の悲しかった出来事を思い返したり、気持ちの色を考えたりして聞いていました。「みどり!」などとつぶやく子も。自分のことととらえて考えながら聞きやすい絵本なのだと感じます。(小学校教諭)
子どもたちにとってとらえどころがない「気持ち」を色やかたちで示していること。同じ出来事でもとらえ方が人によって違うこと。周りの人に伝えたりわけ合ったりすることもできること。わかりやすく描かれています。気持ちについて考える第一歩として良い本だと思います。(スクールカウンセラー)
子どもにとって、気持ちを伝えることって、案外難しいものです。
それだけに、「どんないろ?」と可視化することで、
表現しやすくなりますね。
えがしらみちこさんの素敵な色彩と造形が、優しく語りかけてきます。
気持ちの多様性にも気づくことができそうです。
そして、伝えることのメリットもちゃんと。
幼稚園児くらいから、すっと理解できそうなクオリティです。 (レイラさん 50代・ママ 男の子30歳、男の子27歳)
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