
海と人と、めぐる命に思いをはせる紙芝居。「しらぬいさん」は豊かな不知火海。そんな海を求めて水俣にやってきた人々は、森を育て、魚をとって楽しく暮らしていました。ところが、チッソ工場の排水で「しらぬいさん」は元気がなくなり、海の仲間たちも・・・?

水俣病訴訟のニュースを耳にする時、不知火海の歴史を風化させてはいけないのだと痛感します。
水俣病で苦しむ人たちと行政との溝を、他人事のように傍観していてはいけないのだと感じます。
この紙芝居は、不知火海のそんな歴史を子どもたちに伝えたいという願いで作成されたものです。
海岸に作られた工場から、何の対処もない汚染水が放出され、人々は水俣病に苦しみ、生活や社会環境は壊されました。
メチル水銀におかされた魚たちが、ドラム缶に詰められて水底に眠っているという描写には息を呑みました。
豊かな海産の地だった頃の明るさは輝いて見えました。
水俣病による苦しみ描写が薄いところは、子どもたちの心を配慮したからだと受けとりました。
最後の一枚のの絵には、未来に向けた希望を感じました。
子どもたちに未来を託す大人として、思いの溢れる紙芝居でした。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
|