ペンギンのウィリーは、だれもが似たような姿のペンギンたちと一緒にいるのが嫌になり、南極から町へでかけていきました。町ではみんなウィリーとはまったく違う姿で、ウィリーは注目をあびますが・・・。
ペンギンのウィリーは、同じ姿形でいるペンギンの社会で生活するのが嫌になりました。
自分は他のペンギンたちとは違うのだという自意識が強かったからです。
ウィリーは人間社会にやってきました。
当然ウィリーは異質のものとして、注目される存在になってしまいました。
ウィリーは困ってしまいました。
彼は目立ちたかった訳ではなかったのです。
同じ社会にいて、自分が自分でいることが確認できればそれで良かったのです。
ウィリーは人間社会で暮らすために、一所懸命人間のマネをします。
でも、オペラを鑑賞に行こうとする人の群れが、一様に燕尾服を着て、自分のマネをしていることに疑問を持ちました。
これではペンギンの社会にいるのと同じではないか。
このシーンは極端な誇張ですが、没個性化して仲間でいることに安心するというカルチャー意識の象徴でしょうか。
さて、ウィリーはペンギンの社会に戻ってきました。
そして思うのです。
みんなと同じ姿形で暮らしていても、自分は自分なんだと。
これをアイデンティティというのでしょうか。
ウィリーにとって、遠回りした自分探しの旅でした。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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