
新刊モニターの感想
1)『上総の観音さま』への感想 最初は目で追って黙読していましたが、近くに子供がいたこともあり、途中から音読をしました。思わず声に出したくなるのは、語り継がれてきた伝説だからこそなのでしょう。 読み方にルビが振られているので、その言葉を普段使っていない私でも、心地よいリズムで読むことができました。当然方言のイントネーションの正確さはないと思いますが、テンポよく話に惹き込まれていきました。 内容については、非常に衝撃的な場面がありました。お話の背景となった時代の厳しさが引き起こした悲劇は、親子ともに、しんみりと、やるせなく、心に強く残りました。
2)E.S 50代
3)新しく発行される書籍のモニターがあるということを初めて知りましたし、とても貴重な体験ができました。原稿が届いた時には、大変わくわくさせていただきました。 ありがとうございました。

2編の伝説が収録されていて、千葉県民にはうれしい絵本でした。
「上総の観音さま」
昔の農村は、地主と下作人という差別社会だったことを改めて感じます。
食うに困らないけちな地主は、米俵の数が減ったと言って騒ぎ立て、そのために下作人に言われもない罪を咎め立てるのでした。
おからしか食べられぬ下作人は、それを白まんまと言い聞かせていたというお話です。
伝説話ではあるけれど、格差社会の原型を見たように思いました。
「伝説更科姫」
格差カップルの悲劇のお話です。
お殿様の娘と、豆腐屋の息子が結婚したらこんなことになるのでしょうか。
育ちも暮らしも違うのです。
自由奔放に育った姫は、豆腐屋の生活には馴染むことが出来なかったという悲劇です。
愛は格差を乗り越えられないのでしょうか。
地名の由来に発する言い伝えですが、悲しい由来だとちょっと辛いです。
地元に伝わるお話は、感じ方も一味違います。
(ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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