
セイラムにくらす魔女、グリメルダには悩みがありました。心があるせいで、ほかの魔女たちのようにいじわるになりきれないのです。じゃまな心なんていらない、みんなとおなじになりたい!「血の月」をお祝いする夜、グリメルダはついに、心をなくす方法をさがそうと決心し、こっそり村を出ていきます。
悪夢の王、川むすめ、バケノキ。途中で出会う風変わりなばけものたちを巻き込みながら、グリメルダはおそろしげな森のなかをゆうかんに歩きつづけます。はたして、心をなくす方法はみつかるのでしょうか。
フランス児童文学界で「ファンタジーの女王」ともよばれる著者がはじめて手がけた絵本。いろんな気持ちをおこさせる心が“じゃま”だと感じる瞬間はきっとだれにでもあるでしょう。でも、そんな感情もふくめてすべて自分であり、そのままでいいのだと気づいたとき、グリメルダにおこる変化とは。心の声を聞き、自分を認めることの喜びを伝える絵本です
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恐ろしげな絵の中で、ひとりキュートな魔女ねずみのグリメルダが浮き上がった作品です。
表情のあるグリメルダは、心を持っていることで、他の魔女たちと相容れないのです。
人に悪い魔法をかけることができないのです。
なんとなく粗筋が読めてしまう展開ですが、魔女たちに心はないのでしょうか。
心があることが負担な生き方なんてあるのでしょうか。
誰にでも心はあるのでした。
グリメルダが持っていたのは、やさしい心であり、人の気持ちを聞くことのできる心だったのです。
対して、グリメルダが探していたのは冷たい心だったのです。
人として大切な心について、グリメルダは再認識させてくれました。
絵を見ているだけでも、訴えかけるもののある絵本です。
世の中にあふれる、心ない人のことを揶揄しているように感じました。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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