父親の肩車の上で掴んだ静けさの感触。 子どもの頃の小さな出来事やありふれた日常。そうした印象の断片をいかに聴き取ったかが、一人の人間の感受性をかたちづくる。読み返すほどに味わい深い詩画集。
いわさきちひろさんの絵、長田弘さんの詩。
絵の構成と詩とのコラボレーションで、肩車された子どもの世界がくっきりと描かれている詩画集です。
私自身は肩車された記憶がなく、子どもをあまり肩車したことも多くはないように思うのですが、肩車された子どもがどんな思いなのか、この本を通して感じることができました。
高い世界から見下ろす世界、それもお父さんの肩にのって見る世界は特別です。
巨人になったような、偉くなったような、それでも屋根より高くなることはできない世界。
なんだか、肩車した子どもからしあわせをいっぱい受け取れそうです。
自分の子どもは肩車するには大きくなりすぎましたが、まだ間に合うお父さんたちにお薦めの本です。
(ヒラP21さん 50代・パパ )
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