黒い絵本。表紙は日の差す道を歩く一人のこどもの後姿。
「おもいだしてください・・」
そう、この絵本はナチスによって殺されたユダヤ人の子どもたちの記録。
実際にあった大虐殺の歴史を淡々と記したもの。
まだ穏やかに暮らしていたころの人々の生活から
だんだん不穏な空気が漂い始める様子。
服にワッペンをつけることを強要され、家を追われ
道端に・・収容所に。やがて
そして犠牲になった子どもたちの顔写真が。
自分たちと変わらないふつうの市民に起こった出来事なのだ・・という
事実が深く胸に刺さります。
なんでもない日常がいつの間にか地獄に。
愚かな人種差別。
カメラを見つめるこどもたちの表情。
重くつらい絵本。
けれども読まなければ。
5歳の息子には難しすぎることは承知で読み聞かせました。
できるだけ簡単な言葉で説明しながら。
「こわい・・」といいつつじーっと聞き入っていました。
戦争はほんとうに嫌なもの。
この愚行を二度と繰り返さないためにも。
すでに絶版のようですが、このような絵本を作ってくれた作者や出版社に感謝です。 (10月さん 30代・ママ 男の子5歳)
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