鉄のキリンのじいさんは、船から港へ荷を移す仕事を長年続けていた。 ある日、母親のもとへ帰りたがっている男の子を救うために、その長い首に男の子をのせて、大海原へと踏み出すが……。 やさしく切ない、ファンタジックな作品。第25回ニッサン童話と絵本のグランプリ童話大賞受賞作。
全体的に沈んだ色調のページが続きます。
物語りも、今までのように働けなくなった鉄のキリンのじいさん〜「ひとさらい」に連れてこられた男の子〜深くて孤独な広い海・・と、読んでいてずっしりと重い気分から始まります。
神様の声に従ったじいさんと、お母さんに会いたい一心の男の子との長い時間は、ついに報われます。
男の子を蒸気船の船長に託したじいさんは、やがて海の中で錆びて動かなくなります・・・やっぱり思い気持ちのまま終わるのかと思いきや、最後は胸が熱くなるお話でした。
怖いと言って本を閉じようとしていた息子でしたが、読み終えると「よかったね」と、ちょっぴり目を赤くしていました。
今でもどこかの海にキリンのじいさんは、すっくと立っているのかなと、海に対するロマンも感じます。 (てるちゃママさん 40代・ママ 男の子6歳)
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