絵本というものには、楽しむためだけのものとは別に、「本当のことをやさしく、きちんと伝えてくれる」という、もう一つの側面があるように思います。『おかあさん だいじょうぶ?』は、乳がんになったお母さんとその家族の為に考えられた絵本。特に子どもへの接し方、家族のサポートの仕方などが本当に丁寧にきちんと描かれています。子どもにとって“隠されている”という事が一番不安な気持ちになるという事、「いい子にしていたら病気が良くなる」と不安をあおるような約束をしてはいけない、など子どもを一人の人間として尊重しているからこそ生まれてくる言葉が心に響きます。病気に対して、いのちに対して、真摯に向き合う姿がそこにはあります。 この絵本が一冊でも多く、必要としている家族の元に届くことを願うと同時に、多くの大人の人の目に触れることを望まずにはいられません。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
悪いところをなおしてもらいに、病院に行ったお母さん。帰ってきたお母さんは、いつもとちょっとちがう。 一緒にお風呂に入れないし、なんだか疲れているみたい。どうしたのかな?親子で読む絵本。
※この絵本には、解説用の新聞「mamma」が付いています。 「mamma」は、乳がんになった親と、その子どものための新聞です。 乳がんになったときに、子どももお母さんをサポートする一員となるように考えられています。 子どもに乳がんであることを伝える前に手にとっていただきたいと思います。 ご家庭のこれまでの歩みや現在の状況を見ながら、各家庭に合う形で参考にしていただければ幸いです。 (「mamma」冒頭の言葉より)
お母さんが乳がん。どの家庭にも起こりうる危機。 そんなとき、子どもたちにどう話をして、事実を受け入れてもらうのか。 お母さんの身になって、子どもたちの身になって、そしてお父さんの身になって皆で考えてできた絵本です。 (聖路加国際病院副院長 小児総合医療センター長 細谷亮太)
乳がんの親と子どものために描かれた絵本。
内容的にかなり重いですが、黒井健さんの優しいトーンの絵が優しく語ってくれます。
乳がんの手術前から術後にかけて、特に子どもたちへのケアで心がけることが
理解できるようになっています。
いろいろ遭遇する感情を適切に受け止めることが大事なのですね。
最近立て続けに知り合いが罹患しただけに、他人事ではありませんでした。
病気の有無に関わらず、基本は親子の愛情ではないかな、と感じました。
「mamma」というリーフレットが折り込まれていました。
絵本の内容をより詳しく解説してあります。
乳がんに限らず、いつでも起こりうることですから、
一度じっくりお読みになることをお薦めしたいです。 (レイラさん 40代・ママ 男の子16歳、男の子14歳)
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