いまどき「神かくしにあった」などという人は、まずいないでしょうが、迷子になったり、急にお母さんの姿を見失ったとき、心細さも手伝って、見なれた風景が、まるで見知らぬ世界のように思えたことはありませんか――いつものようで、いつもと違う……それが異界なのです。
この物語は、雑木林のなかにドッジボールを探しに入った男の子「尚(なお)」が、かくれ山という異界によびこまれ、必死で出口を探すという冒険ストーリーです。
かくれ山の猫屋敷には、尚と同じように異界によびこまれ、猫婦人に姿を猫にかえられた子どもたちがとらわれていました。猫屋敷から逃げ出した尚は、友だちになった野ネズミに、山姥なら出かたを知っていることを教えられます。知恵と勇気をふりしぼり、天狗の隠れ蓑をかりて山姥に方法を聞いた尚は、鬼の雷の剣をぬすんで……。
「あっ!」と驚く結末の、勇気と友情の素晴しさを教えてくれる感動の一冊です。
4年生の息子が、富安陽子さんの児童書にはまってます。ちょっと変わった魔物が登場することの多い富安さんのお話ですが、今回は猫夫人です!
猫夫人によって神隠しの世界に引き込まれてしまった男の子が
日常の世界に戻るまでの冒険物語です。
勇気を絞って冒険する姿に、息子は自分を重ねるのか?それとも冒険ファンタジーを楽しんでるのか、すごい集中力であっという間に読み終わっていました。富安さんの作品なら、私も安心して与えることができます。
不思議な世界の存在を信じたい小学校中学年くらいの子に
ちょうど面白い一冊だと思います。 (きゃべつさん 40代・ママ 男の子13歳、男の子10歳)
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