
私と弟のあゆむは、川原でかくれんぼをしていました。あゆむが、穴にかくれたので、私も後をおって穴に入ると……。
私とあゆむは、見たことのない森の中にいました。そこで私たちは、まんまるで毛がふさふさした生き物「クックル」と出合ったのです。クックルに案内され、つちぶきの家がならぶ村に連れていかれた私たちは、そこで暮らすことになりました。どんぐりや栗をとって食べたり、色んな形の土器をつくったり……。そんなある日のこと、「家に帰りたい」と言ったあゆむを私がしかると、あゆむはひとりでどこかへ行ってしまったのです。暗い森の中へあゆむをさがしにいく私の目の前には、クックルがつくってくれた「ひかりのみち」が現れました……。
自然との共生により、何千年という期間を豊かに暮らしていた「縄文時代」の青森、白神山地。そこへタイムスリップした姉弟と、森の精霊「クックル」の心の交流を描いた、心温まるファンタジー。

縄文時代へタイムスリップしてしまった主人公と弟のあゆむです。お家に帰りたいあゆむに、「じゃあ、勝手に帰ればいいでしょ!」と言ってしまったことにとても後悔をした主人公の悲しみに読んでいても貰い泣きをしてしまいました。弟のあゆむを捜しに必死に山へ走る主人公に、お母さんの言葉、「知らない所に行ったら、絶対弟の手を離しちゃ駄目よ。まだちいさいんだから、貴女がちゃんと守ってあげないとね。」おかあさんの言葉にとても深い愛情が込められていて感動しました。当たり前の言葉かもしれないですが、泣けてきました。縄文時代の精霊のクックルに助けられて無事に弟を見つけた時には、母親の愛が通じたのだと思わずにいられませんでした。人と精霊たちが共生して生きていたのにもとても感動しました。 (押し寿司さん 60代・じいじ・ばあば )
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