寝る前にこの本を開いて下さい。明日のことに思いを馳せるくまくんと一緒に、満ち足りた気持ちで、安らかな夢の世界に入っていけることでしょう。詩的な文章と五色刷りの美しく不思議な雰囲気の絵で、大人から子どもまで多くの人を魅了し続けている絵本です。本のおしまいには、お楽しみ付き。
作者は画家。イラストの美しい作品です。内容は、夜になっても眠れないぬいぐるみのくまくんが家の外の情景を眺めているうちに眠りにつく、というもの。詩的で穏やかな世界を提供するイラストは優しく、夢を誘います。背景に赤い風船が登場し、最後にその風船が読者にプレゼントされる(本物が封筒に入っている)という演出は心にくいと思ったけれど、絵本中の風船の伏線が弱く、ちょっと残念。
うーん、絵がこれだけ美しいのだから、こんなに言葉多く語らなくても作品としては成り立つのでは……というのがわたしの感想でした。長い文章(情景描写のところ)を聞かせるのなら、お話の展開を面白くするか、何か引き付ける工夫が必要。また、途中、空想で昼間の場面が出てくるところがちょっと紛らわしかったです。娘はちゃんと聞いていたのかな。
でもイラストは本当にすばらしいですね。よって4つ星に。 (ムースさん 30代・ママ 男の子9歳、女の子3歳)
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