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アメリカ軍に従軍した日本人カメラマンのノンフィクション写真絵本。イラクの人々がむきあっている戦争の現実を子どもに伝えます。
カメラマンの高橋さんが実際にアメリカ兵と同行を共にして写した写真からなっている本。
高橋さんの姿勢、疑問、生き方があとがきに書かれているので、それを読むとこの本の意味が理解できてくると思います。
写真からなる本でストーリー性のない本は、編集の仕方、写真の取り上げ方で様々に訴える意味を変えてしまいます。
戦争の残酷さ?
アメリカの正当化?
兵隊とは何か?
イラク人は悪いのか?
人が死ぬってどんなこと?
遠く離れた日本で、外国のこととして写真を見る人間には、伝わる要素は様々です。
戦争は間違いなく悲惨なものです。
では、なんでこの戦争は起こったのでしょう?
避けることはできなかったのでしょうか?
アメリカ兵もごく普通の人間だと語られます。
仕事としての義務を果たさなければ、家に帰れない?
踏絵のような従軍。
生きるか死ぬかは、運なのでしょうか。
彼らにとっての仕事が、殺人でもあるところに、言いようのない理不尽を感じます。
金のためでもなく、義務でもなく、武器も持たずに彼らと行動を共にする高橋さんを兵士たちは奇異に思ったことでしょう。
それでも、高橋さんは人間としてのアメリカ兵を写しつづけます。
人間としてのイラク兵も写します。
死体は即物的に写されます。(気を抜くことのできない戦場では、感慨にふけっているゆとりなどないのです)。
高橋さんはイラク人の生活をも写します。
イラク人は間違いなく犠牲者ですが、アメリカ兵も犠牲者かもしれない。
この写真集はメッセージの羅列です。
そして、写真家としての高橋さんの姿勢をはっきりと表示しています。
自らの命を賭して赴いた戦場。
高橋さんはこれからも写真を撮り続けると言いました。
戦場で目にした悲惨さよりも、写真で物事を伝えることにやりがいを感じているのです。
戦争をどのように伝えるかということと、戦争を見る目を学び、そして様々な人の生き方を目にしました。
できれば、このような悲惨がないところで、この本から手にしたことを体現してほしいと思います。
子どもにとって、考えるための提言のいっぱいつまった本だと思います。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子14歳)
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