生まれつき、邪悪な人間なんていないー! 麦畑の光の洪水の中で、あたしは初めてチューリップに出会った。そして、あたしはチューリップに支配された……。ふたりの少女の激しい友情と、悲劇にむかった結末。少女の心の闇を救う手立てはあるのか? 英国で熱い論議を巻き起こした問題作。
イギリスの児童文学、カーネギー賞作家の、アン・ファインの本。
なんか、有名ですよね。この本。
実は、アン・ファインの本の中では、ベストではありません。
一番好きな「フラワー・ベイビー」のことを書きたいのですが。。。
なぜ、ベストではないかというと、そこには、どうしようもない現実が、重く、描かれているからです。
貧しく虐待された少女と転校生の二人の少女の暗い友情が、淡々と描かれます。
数々のいたずら?は、どんどん犯罪度を強めていきます。大人の無責任さ。救いのないラスト。
まず、日本の児童文学にはないです。
イギリスの作家は、ファンタジー物が多いのかなと思っていましたが、こんな現実、現代的なテーマを描く作家がいるのかと、びっくりしました。
ラストの後、少女たちはどうなったのか?考えずに入られません。
「根っからの悪い子はいるのか?」
読後、いろいろ考えさせられる本です。
同じような内容に、オランダの作家ミレイユ・へウスの「コブタのしたこと」があります。こちらのほうが読みやすいかも。
「フラワー・ベイビー」は、とても前向きな本なので、こちらをお勧めします。感動します。元気が出ます。 (宙母さん 40代・ママ )
|