累計発行部数1000万部を超える人気シリーズ絵本『あかちゃんのあそびえほん』でおなじみの絵本作家・きむらゆういちが、大ベストセラー『あらしのよるに』に続く長編を執筆!今度の主人公は一匹の雑種犬のジョン。飼い犬のジョンはそれまで何不自由なく暮らしていました。でもある日森で迷ってしまい、そこで野生のおおかみと出会いました。自由に生きるおおかみに惹かれ、自分もおおかみになろうと決心します。果たしてジョンはおおかみになれるのか? 森をさまよい、生きるために覚えた自然のルール、集団生活を送るおおかみたちに認めてもらうまでの葛藤など、ジョンを通して、人間が社会で生きるためのヒントが随所に散りばめられた、成長物語です。お母さんはもちろん、お父さんの読み聞かせにも最適な一冊です。
国語の問題集に使われていた題材で、気になって手に取ってみました。
始めの方は、飼い犬のジョンがおおかみに憧れている、ただそれだけで、無謀な願望とも思われる流れ。
でも途中から、飼い犬だったが故の知恵と、おおかみになりたいと思って特訓していた時の経験が活きてきて、だんだんとおおかみらしい部分が出てきます。
おおかみのボスは冷酷さはあるようですが、懐が深い面もあり、さすがだなぁ・・・と感じ入ります。
そしてジョンが憧れる、ナンバー2のケンさんは、確かにカッコイイ。
ジョンがおおかみに憧れを持つのも頷けます。
途中まではそんなに先が気にならない流れなのですが、中盤からは先へ先へと読み進めたくなる、強い流れが出てきます。
そして「たれ耳」という気弱なワードからは想像もつかないラスト・・・
途中、『あらしの夜に』シリーズの話を髣髴とさせる部分も出てきますが、おおかみの集団が話の中核になっていますから、当然かもしれません。
読み進めるほどに引き込まれる、味のある作品でした。 (hime59153さん 40代・ママ 男の子8歳)
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