昔々、ある村の川の下のほうに、じいさまとばあさまが住んでいた。ある時、犬の子が、下のじいさまのたもとをくわえて、「じい、じい、おらのせなかに、くわしょわせてくんつぇ」とほえて…。
誰もが知っているお話ですが、福島に伝承されているお話は、おじいさんが川上と川下に暮らしていました。
犬が香箱に入れられて流れてきたのには、高尚さを感じました。
最初に犬に会うのが、性悪な川上のおじいさんというのも意外なところ。
とことん運を掴めない人間という感じで、身を滅ぼすのも頷けます。
太田大八さんの絵が絵巻物のようで、うっとりしてしまいました。
いろいろ読んだ、大人の人向けのようにも思いました。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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