建久3年、九郎次は由比ガ浜で打ち首になった。時の強大な権力に抗して馬ぬすびととなり、壮烈な一生を終えた男の物語。作者の代表的な創作歴史文学。
鎌倉時代、鎌倉の由比ガ浜で打ち首になった馬盗人があった。
古文書に記された物語として描かれた創作昔話。
その当時、貧困の暮らしの中で野馬の自由奔放さに魅せられた男が、岩手県の岩手山のふもとで馬追いに逃げ場を失った馬を逃がすところから、馬盗人としてとらえられるまでの波乱を描いています。
男の名は九郎次、男が魅せられた馬に名づけた名は九郎。
表紙の題字から骨太な物語になっています。
馬のために、権力に立ち向かおうとした男は、同じ馬盗人の義賊の箱根丸と知り合い、同じく悪党の馬盗人の福島の太郎の起こした騒乱に巻き込まれ、時代の中で翻弄されていきます。
箱根丸の妹のふきとともに権力に立ち向かった九郎次、時代劇の中にいろいろなドラマが描かれ、読後もとても重厚な思いを感じられました。
たまには、こんなハードタイプのお話もよいかも。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子14歳)
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