時は太平洋戦争が終わるころの信州。捕虜になったアメリカ兵と、純朴な少年の間に生まれた心あたたまる友情を描く絵本です。
私が見つけた月の岬。
月を見るのに素晴らしい信州茅野の地。
この書き出しで、この本を読んでいる私はう〜んとうなってしまいましたが、奥深い話がさらに展開されていきます。
月が昇るところに現れた老人の身の上話です。
太平洋戦争のさなか、この地で捕虜となった米兵が強制労働をさせられていました。
川向うに米兵を見ながら遊んでいて、川でおぼれそうになった自分を助けてくれた捕虜の兵隊たち。
命の恩人との許されない友情が生まれます。
そのふれあいが素晴らしい。
戦争が終わり、捕虜たちは帰っていきます。
少年だった自分が、届け続けた食料のお返しか、空から大量のチョコレートが降ってきました。
それは、銀紙に包まれてまるで雪のように…。
その話を聞いて、私の連れてきた娘は老人のチョコレートを受け取るのです。
三人で見上げている月は、大きくてとても美しい。
武田鉄矢さんの繊細な文章と心こもったお話。
実話に基づいているとのことです。
金八先生の終了とともに、手に入りにくくなっていくのが残念です。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子14歳)
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