ヨースケは、なんでもぼくらのいうとおりにした。ぼくらも、すごくわるいことをしているとは思っていなかった…。転校生のヨースケと、ぼくらの人間関係を通じて、本当の友だちとは?を考えるきっかけとなる一冊。
“いじめているつもり”はなくても、自分がされたらいやなことを人にしてしまうことがある。その子がおとなしく言うことを聞いてくれると、ますます図に乗って…。友だちってなんだろう。本当の友だちってどんな関係のこと? 子ども同士の揺れ動く関係を通じて、このような問いが投げかけられます。そして、ヨースケのお母さんの突然の死。衝撃の展開ですが、死に出会うことで、「ぼく」と「ヤンチ」は、はじめてヨースケの内面を真剣に想像し、他人を思いやるきっかけを得ます。小学校教諭として、心の教育の研究をおこなってきたくすのき先生の作品に、豊かな色彩とやわらかいタッチで人の深い感情を表現する松成真理子先生が絵を描きます。
転校生のヨースケは、力が弱くて、走るのが遅くて、算数も苦手。
そんなヨースケはみんなに嫌な事を押し付けられても、戸惑いながら従い、それでも、いつもその子たちと一緒にいました。
その子たちはヨースケをいじめている意識は無くて、ヨースケも一人ぼっちでいるよりは一緒にいてくれる友達がいてくれる方がマシで…。
きっとそんな友達関係ってよくあるのかも知れません。
でもそんなヨースケの姿を見かけたお母さんが『みずいろのマフラー』に託した想いに、読みながら涙してしまいました。
途中までは「いじめ」がテーマの絵本かと思っていましたが、これは友情と親子愛の絵本です。
たくさんの子供たちに読んでもらいたいし、是非、親子で読んでもらいたいと思いました。 (キョッチさん 40代・ママ 男の子8歳)
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