<内容> ダウン症でありながら、書家として活躍している金澤翔子さん。母の泰子さんに習い、幼いころから書道を学び続けてきました。「見る人を喜ばせたい」という純粋な心から生まれる書は、多くの人に感動を与えています。翔子さんの歩んできた道と、その素顔に迫るノンフィクションです。
<ポイント> ・翔子さんのやさしさ、純粋さが心を打ちます ・迫力ある書の作品も多数掲載しています ・幸せとは何かを考えるヒントがあります
<編集者から> 小学校のかけっこで、転んだ子に手を差しのべ、自分がビリになってしまった翔子さん。夜道を照らしてくれるお月さまに、「ありがとう」と手を合わせる翔子さん。 奈良の東大寺の大仏さまを、亡くなったお父様だと信じている翔子さん。 人前で大好きなお母様に「チュー」をしようとして止められていた翔子さん。 東日本大震災のニュースをテレビで見て、行き先もわからないのにコートをつかんで、助けにいこうとした翔子さん。 ――そんな翔子さんのことを、だれもが好きにならずにはいられません。 翔子さんは現在、26歳。翔子さんが生まれた時、母親の泰子さんは障害を知って絶望しました。でも、翔子さん自身の明るさに照らされるようにして、これまで一歩一歩、あゆんできました。 そうした翔子さんの純粋さが書に表れているからこそ、たくさんの人に感動を与え、希望を与えているのだと思います。 平成24年のNHK大河ドラマ「平清盛」の題字は、彼女の書いたものです。 今後ますます活躍の場を広げてゆきそうな翔子さんの世界に、本書を通じてふれていただければと思います。
私が金澤翔子さんのことを知ったのは「金スマ」という番組でした。
我が子が「ダウン症」という障がいを背負って生まれてきたことをなかなか受け入れらればかったお母さんが、書道を教え、どんどん上達していく姿は胸を打たれました。
この本の中で、翔子さんは書道の基本「右上がり」が理解できず、それを理解させるために、二人でのぼり坂を何度も歩き、体で教える姿は、親として見習うべき姿でした。
この夏、我が家の子どもたちは、それぞれ読書感想文を書きました。
小学校最後の作品を、息子は翔子さんの本に出ていた「飛翔」の「翔」という字を選び、1日がかりで仕上げましたが、納得できなかったようです。「翔子さんは、あんなに力強い字を書けるなんてすごいな。僕も翔子さんに負けないように練習するね」と言っていました。
中2の娘も「壁を越えるために」という題名で読書感想文を書きました。「翔子さんの純粋な心が作品に現れるからみんな感動するんだね」と書き終えて言っていました。
是非、多くの人に読んでもらいたい一冊です。 (図書うさぎさん 40代・ママ 女の子13歳、男の子12歳)
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