「哲学」と「絵本」。 そんな組み合わせってありえるの?だって哲学って言ったら、やっぱりちょっと難解なイメージがあるし・・・ 第一絵本で哲学の何をつたえてくれるんだろうって思いますよね。 でも、この表紙の絵にはかなり興味を惹かれてしまいます。
中を開いてみれば、やっぱり今まで見た事のない、経験したことのない絵本。 その内容にあっという間にひき込まれていってしまいます。 例えば「自由」という言葉と「必然」という言葉がイメージを喚起させてくれるイラストと一緒に並んでいます。 「うーん、二つの違いはなんだろう。断然自由の方が好きだけど・・・」と考え始めると、 「必然を考えることなしに 自由は存在するのでしょうか」とくる。そこには、金魚鉢を飛び出した金魚の絵。 あれ?なんか頭の中がぐるぐるしてきたぞ。 そうすると、そのぐるぐるを整理してくれるような、或いは更にぐるぐるさせてくれるような解説が入るっていう流れ。 他にも「有限と無限」とか、「存在と外見」、「わたしと他者」などなど。 そう、どれも反対の言葉が並んでいるのです。 何かを考えるということは、反対のものを考えるということを含んでいる・・・ということで、この本は そうした反対のことを立ち止まって考えながら、いつのまにか「哲学をする」体験をしてしまっている絵本なのです。
なるほど!哲学って、もしかしてもっと身近なもの? こんな風に一つの物事を二つの側面から考える習慣があったら、子どもの頃、学生の頃、もっと楽に、そして自信を持って生きられたんじゃないかなあ、と思ってしまうのです。 だからこの本を自分自身で充分に楽しんだ後は、かみくだきながら息子と一緒に考えてみようと決めました。
先に発売されている同じシリーズの『愛すること』『生きる意味』は、もっと具体的な経験と重ねあわすことができて、みんなでわいわい楽しめる2冊です。 フランスでは数々の賞を受賞し、世界19カ国で翻訳され、シリーズ累計部数30万部を超える大人気絵本がいよいよ日本にも登場、ということだそうで。素直にこの絵本に出会えたことが嬉しくなります。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
哲学をイラストととともに考える、まったく新しい、世にもかわいい哲学絵本、登場! あなたの「軸」をつくる、あなたの哲学。ちょっと立ち止まって考えたいときのおすすめ本。
【担当編集者からオススメの一言】
フランスで権威ある賞を多数受賞し、 世界19か国で翻訳されている話題の哲学絵本です。
本書は、大哲学者の言葉から学ぶ・わかる哲学本とは異なり、 自分で哲学することを助けてくれる、まったく新しい哲学本。 なかでは哲学的な12の大テーマを「理性と情動」「肉体と精神」など 対立するものの見方を通して考えます。 やさしい文章と、キュートで意味深なイラストは、 わたしたちの理性と感性に同時に作用して、 あれこれ考え始めずにはいられません。
答えは出ても出なくてもOK。 あれこれ考えることを楽しんでこそ哲学です。 これはあなたらしさを尊ぶ本。ちょっと立ち止まって考えたいとき、 変化したいと思うときに、おすすめです。
そもそも哲学って何?哲学を学ぶと、何の役に立つの?というのが、私のレベルです。
そんな私でも、ちょっと楽しく読めました。全身タイツのキャラのおかげで、難しい言葉の意味が、なんとなくわかるような感じです。キャラのポーズや小道具にも凝っていて見飽きません。
いろいろな考え方がありますが、どれが正しくて、どれが間違いということはありません。じっくり「考える」ことが、大切なんだなと思います。
おしゃれでかっこいい絵本です。
(どくだみ茶さん 40代・ママ 女の子11歳)
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