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欧州の〈妖精のとりかえ子伝承〉を元に紡ぎ出された物語。妖精世界を追放され、人の子として育つサースキ。 皆とちがう自分に苦しむが、やがて道をみつけていく。ニューベリー賞オナー作品。
アイルランドやイギリスなどに古くから伝わる「妖精」の物語や伝承に興味のあるお子さんにはぜひともお薦めの1冊です!!
読み聞かせ等が盛んな学校なら高学年くらいで
『たまごのカラの酒つくり』や『妖精の丘が燃えている』(アイルランドの昔話)、『妖精のぬりぐすり』(イギリスの昔話)、他にも邦訳者の斉藤さんが後書きで紹介している妖精の登場する物語がたくさんあるので、
このアイルランドやイギリス特有の妖精の物語を聞いたことがある。見たことがあるというお子さんもいるかもしれません。
この物語の主人公、サースキは本当は妖精と人間との間にできた子で、初めは妖精の国で暮らしていましたが、妖精としての力が半人前だったために国を追われ、
“とりかえっこ”として人間の子どもにされてしまいます。
もちろん、人間としての暮らしもサースキにとっては「自分がいるべき場所」と感じられなくて当然です。
邦訳者によると、作者はそこを狙ってこの物語を描いたのだろうといってます。
「ふつうとちがう」「ほかの人と違う」からいじめられる。
人間社会ではわりとよくあることではないでしょうか?
サースキも数少ないほんとうの味方に出会い。自分のするべきことを考え、最後には自分のいるべき場所を探して旅立っていきます。
物語としてはとても完成されていて、読み始めるとスーッとその世界に入り込んで読むことができました。
2012年に刊行された本ですが、この夏小学校の高学年くらいから、中学生・高校生のお子さんたちにお薦めします。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子19歳、女の子14歳)
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