あなたは紫の菜の花をみたことがありますか。この花は中国からやってきました。今から五十年以上前、日本は中国に戦争をしかけました。中国でこの花と出会った一人の兵士が花の種を持ち帰り、平和への願いをこめてまき、ひろめたのです――。
最近はあちこちで見かけるむらさき花だいこんに、このようなエピソードがあることを初めて知りました。
日本の負傷兵が中国の女の子から受け取った花が、平和への祈りとして広まったことには、素晴らしさを感じました。
でも、この絵本の前半はとても残忍です。
鬼となって民間人を殺戮した現実は、この花で癒せるのでしょうか。
懺悔の気持ちが感傷となっていないか、ちょっと疑問にも思います。
きれいごとではなく、日本の罪を描ききったところに、この絵本の素晴らしさがあると思います。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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