坂倉清さんは、1940(昭和15)年から敗戦まで、日本軍兵士として、中国の人びとにたいし、殺人、放火、拷問、略奪など、数え切れない残虐非道な罪を重ねました。中国の人びとから「日本鬼子」と言われる蛮行を、なぜ自分は犯したのか――日本が再び同じ過ちを繰り返さないために、自らの行為を赤裸々に告白します。
あまりに衝撃的な告白に絶句してしまいました。罪のない一般人を殺戮し、生活の場を焼きつくし、あらゆるものを奪い取る、そんな残虐なことが、命令とはいえ非人道的な悪行が作戦としてあったことを改めて知りました。しかも当事者の言葉として語られているのです。この刺激の強い書籍をしっかりと受けとめることが出来て欲しいとは思うのですが、単に興味や興奮に置き換えてしまう危険もあるような気がします。
この本は、あくまで反省に立った反戦の書です。
そして、人間としての心の大切さを省みる祈りでもあるような気がしました。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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