児童文学の名手、筒井敬介氏と、絵本作家兼デザイナーの巨匠、堀内誠一氏が織り成す贅沢な絵本。こちら幻の名作との事でページを開く前から期待が高まります。
中に入っているお話は、「なにがつれたかな」「おほしさまおりてきて」「おしろがあぶない」の全部で3つ。最初のお話を早速めくると…、おやおや、何やらやんちゃそうなとのさまが大あばれ。年はいくつぐらいなんでしょう?まだ小さくてかわいらしいとのさまです。おしろのおほりでつりをしていたとのさま、何にもつれなくて、おいけにやつあたり。ドボーン。カポーン。ザボーン……。よろいかぶとやら、ざぶとんやら、おわんやら、何でもかんでも次々にほうりなげています。「とのさま、いけません」と、とめるばあやのことまでついに…!? そこにあらわれたのは、ひげのもんじゃえもんというごうけつ。つりを教えにきたというのですが、つりざおは山から抜いてきたばかりの杉の木、つりばりは鉄の棒をぐいと曲げて作ったもの、という豪快ぶり。じゃあ、えさは?と、ページをめくった瞬間…、思わずびっくりして「えっー」と声が出てしまいました。さて、その予想もつかない驚きの“えさ”でつれたのは何だったのでしょうか? 1話目で、やんちゃぶりを大いに発揮したとのさまですが、2話目、3話目では、優しい一面や、子どもらしく愛嬌あふれる姿もいろいろ見せてくれます。春夏秋冬全部で4冊の「かわいいとのさま」シリーズ、こちらの『おしろがあぶない』は、2013年春に出版された『おだんごだんご』に続く夏のお話です。楽しくすいすい読めてしまうお話と、眺めているだけで大満足の美しい色彩と大胆なタッチの絵に、これから出版される秋と冬のお話も待ち遠しくなってしまいます。 軽やかでリズム感たっぷりの語り口は、声に出して読んであげると一層楽しい世界が広がりそうですよ。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
筒井敬介×堀内誠一コンビによる幻の名作がついに絵本になりました! ちょっぴりやんちゃで、心やさしいとのさまが、ばあやや家来たちとくりひろげる楽しいお話。おしろの池でつりをする「なにが つれたかな」。迷子のトンボを助ける「おほしさま おりてきて」すごいあらしがやってくる「おしろが あぶない」の3つの短い夏のお話。ひとりで読むにも、読み聞かせにもぴったり。春夏秋冬の4冊のシリーズです。
かわいいとのさまは、夏の3つのお話が収録されてます。
1 なにがつれたかな
2 おほしさまおりてきて
3 おしろがあぶない
かわいいとのさまは、ちょっとはらはらする行動もしますが、やっ
ぱりどのお話も面白いです。かわうそばあやに守られて、情も
あってほろりときます。「おほしさまおりてきて」の大砲で打ち上げ
た花火がとても綺麗で、見惚れてしまいました。シリーズなので
他のも読みたいです。 (押し寿司さん 60代・じいじ・ばあば )
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