静かな森の奥からケーキの焼ける甘い匂いが漂ってきます。 お店の立て看板には、「いらっしゃいませ メニューはありません。おすきなこうちゃとケーキおつくりします。」。エプロン姿が様になる3びきこりすの「チョコ」「マカ」「ロン」。3びきのケーキやさんは今日も森のみんなで大賑わい。評判のこのお店が何よりも特別なのは、みんなのお悩みをケーキで解決してくれちゃうからなのだそう!
ある日のこと。5ひきのハリネズミぼうやから誕生日ケーキの依頼が舞い込みます。 お誕生日なのに熱をだして寝込んでしまったお母さんのために、3びきのこりすたちは、ハリネズミぼうやたちと一緒にお母さんの大好物、栗の特製ケーキを作ります。ところが、その様子をじっと物陰からのぞいている不審な動物が・・・。それは、美味しそうな誕生日ケーキを盗もうとたくらんでいたオオカミだったのです!実はオオカミには驚きの理由があって・・・。物語の中盤までの楽しくほのぼのとしたムードから一転、誕生日ケーキを巡るハラハラドキドキの大冒険が待っています。誰にでも訪れる1年に1度の特別な日。自分の大切な人を思い出しその人を幸せにしたいと感じることができる日。誕生日は、その本人のためだけにあるのではなく、本人をとりまくまわりの人が相手を思いやる気持ちに気付くための日なのかもしれません。
愛くるしい動物たちと美味しそうなケーキが彩りを添える、優しさに包まれた森の世界を丁寧に描き出したのは、イラストレーター・絵本作家として活躍中の権田章江さん。地下に広がるハリネズミのおうちの断面図やケーキを作るキッチンの壁の装飾や調味料にいたるまで作者の愛情が満ち溢れています。「おめでとう」「ありがとう」の気持ちと一緒にお誕生日に贈りたい一冊です。見返しには、3びきのこりすが紹介する「チョコマカロンの作り方」や「紅茶の入れ方」ものっているので、是非ためしてくださいね。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
お誕生日ケーキってどんなケーキ?人気の3びきこりすのケーキ屋さんにお誕生日のケーキを作ってほしいというお手紙がきました。お誕生日ケーキをはじめてつくるのは、3びきこりすたち。依頼主は、元気なハリネズミの兄弟たちでした。誰にでも誕生日は素敵な日だということが改めて実感できる、暖かい視点で創られた作品。
前作の「3びきこりすのケーキやさん」を5歳幼稚園年中さんの娘と読み,とても楽しめたのでこちらも読んでみました。
まず,前作で登場したおばけも仲良くみんなと一緒にいるイラストにほっこり!
そして今回も本当に可愛らしいイラストで,中でもハリネズミ達の家の中は見応えがありました!!
ストーリーもドキドキとする場面が今回もあって楽しかったです。
悪者としての印象の強いオオカミが,この絵本では恋するオオカミで,何だかニンマリしてしまいました。
終盤の文章もよかったです!
お誕生日ってやっぱり素敵ですね☆ (まゆみんみんさん 30代・ママ 女の子5歳)
|