子供はいつか大人になってゆく、楽しく切なく過ごした小さい頃の記憶は忘れちゃうかもしれない。「でもたぶんね、いつかおもいだすのよ」と無邪気なしろうさに言ってもらうと、そうかもしれない、と思えてくるキュートでセンチなマンガ絵本。
たまひよのキャラクターや、モリゾーとキッコロのデザインを手がけた、アランジ・アロンゾのお二人のまんが絵本です。
この本を紹介するかどうか、ものすごく迷いました。
せっせと大好きな絵本のレビューを書きながら、ずっとずっと頭にあった絵本。
でも、「まんが絵本」なのです。
純粋な、絵本ではありません。しかし…
このテイストは、絵本に他ならない気がしました。
それで、思い切って書かせていただきました。
(他のシリーズは、しっかりマンガだと思います)
天真爛漫なしろうさぎと、思慮深くて、自分に自信があまりないくろうさぎは、とっても仲良し。
楽しいこともあるし、ちょっぴり涙してしまうこともある毎日です。
意地悪な友達に、片割れをけなされたら、もうだまっていられないしろうさぎ。
なんとなくへこんだしろうさぎに、テープの音楽をそっとかけるくろうさぎ。
面白いお話も入っていますが、癒される部分の多い絵本です。
最後、引っ越してしまった友達に、二人で手紙を書く部分があります。
「あのね、らびのことずっとおぼえているとおもう?」
「わすれちゃうとおもう。でもたぶんね、いつかおもいだすのよ」
「それもそうね」
深いなあ、このお話。
幼稚園のお嬢さんをお持ちの方に、ちょっと開いていただきたい絵本です。 (ルートビアさん 30代・ママ 男の子4歳)
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