ジョン・バーニンガムの作品はたくさん評価されていて、いろいろな人が好んで読んでいますが、この絵本を誰かが読んでくれたところに出くわしたことはないです。
男の子と女の子がお弁当を作って、友だちのヒツジとブタとアヒルを誘ってピクニックに行って帰ってくるだけのお話ですが、
邦訳が谷川さんなので、1つ1つの会話のリズムも声に出して読むと、なんだかすごく味わいがあっていいんです。
これは絶対わざとだと思うのですが、絵の具が絵の輪郭からはみ出していたり、ちょっとデッサンがくるっていたりする作風なんですよ〜。
まるで小学校の低学年くらいのお子さんが描いたみたいな…。
だからこの絵本は、すごく有名な作家さんが描いた作品というより、もっと身近な誰かが描いた絵という印象を受けました。
さらにこの作品はちょっとした参加型に作られていて、聞き手の子どもたちに「○○は見つかったかな?」と、聞いてくるんです。
ここもいい!
作り手が作ったものを、読み手がただ読むだけでなく、ちゃんと聞き手に尋ねていることで、みんなの世界が1つの作品の中でつながってると感じました。
今度、おはなし会で使ってみたいです。
タイトルが「ピクニック」だし、絵の中の世界が初夏っぽい色あいなので、読むのは絵の中の季節に近い時期がいいかなと、思います。