「にんじんロケット」のタイトルが何を意味するのか、料理にまつわるものかSFファンタジーかと、不思議に思ってページめくると、“にんじん”や“ロケット”とも結び付かない“マヨネーズの容器”が登場し、次のページではそれが“くるま”に変身していて、今度は“ママのクツ”がどうした?と思ったら、“モーターボート”に変わっていたりと、すぐには面白さがわからず“あるモノを別の意外なものに変身させた”イラスト集かぐらいに思っていると、ひとり読みしていた6歳の息子が、「○○だっ!」と叫んではページをめくり、「やったぁー!」と自分の考えたものとイラストが合っていることに喜んでいる姿がありました。
“なるほどそうやって遊ぶ絵本か”とわかれば、暗黙の了解のもと、途中参戦したパパと息子の、熱い空想合戦となりました。
全部で14ほどの問題(?)があって、息子は半分ほど正解(?)したのに、パパが合っていたのは4個だけ‥。“違ったけれどこれも正解だ”と思える回答もあったり、“正解よりも回答が多いほうがすごいんだぞ”みたいなパパの勝手な主張があったりと、なかなか楽しい時間が生まれました。
息子が即答で答えた、“ポットがヘリコプター”というのが、実にやわらかい発想で驚かされました。
最後に、“にんじん”が“ロケット”に変身して納得の終わり方でした。
親子でなくとも、大人同士でワイワイと、こども脳をチェックしてみるのもいいんじゃないでしょうか?
絶版というのが非常に残念ですが、もっともっと続編をみたいなと、期待してしまう素晴らしい一冊です。