1962年発行で2008年で92刷となる有名作品ですが、初めて読む機会を得ました。
きっかけは、たかどのほうこさんの“つんつくせんせいとつんつまえんのくま”を読んだところ、この絵本になぞらえていると知り、元作を読みたいと思ったからです。
(92刷にあたり版を新しくし、原作を撮影したフィルムを使用したとあり、全体的に暗い色使いのわりにすごく明るく綺麗な印象を受けました。)
ロシア民話であり、登場するクマの名前はミハイル・イワノビッチやナスターシャ・ペシローブナにミシュートカと、長くて発音しにくい名前の上に、落語の“じゅげむ”のように繰り返し出てくるので、3回目あたりで意味もなく笑えてきてしまいました。
息子は、3びきのクマの家に入り込んだ女の子が、ミシュートカのイスを壊してしまうところでツボに入ったようでゲラゲラ笑い出し、“つんつくせんせい”と一緒という見方をしていましたが(こちらが元だからねと説明して)、家の中の異変に気づいた3びきのクマが順番に「だれだ、わたしの…を……したのは!」と叫ぶあたりでは、抱腹絶倒し半ば呼吸困難の様相でした。
しかし最後の、女の子が追いかけられる場面は少し怖かったのか、身を半分隠して聞いていました。
そして“おいつけませんでした”という終わりでホッとした様子。
僕は、古典の作品に多い唐突な終り方が気になり、“めでたしめでたし”じゃ可笑しいけど、“はい、おしまい”とか“とっぴんぱらりのぷう”みたいなもので、ロシア的な終わりの挨拶が欲しかったかなと感じました。
内容的には短いお話しですが、何度読んでも読み飽きない感じが名作の所以なんだなとも感じました。