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<よりみちパン!セ> いのちの食べかた」 パパの声

<よりみちパン!セ> いのちの食べかた 作:森達也
絵:100%ORANGE/及川賢治
出版社:イースト・プレス
税込価格:\1,100
発行日:2011年07月
ISBN:9784781690025
評価スコア 4.5
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みんなの声 総数 3
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  • いのちを考え直し、ものの見方を考え直す

    自分たちが何不思議なく日ごろ口にしている肉。
    その肉がどのように精肉されているか、森さんはそのことを伝えながら、どうして知ろうとしないのか、とても奥深いことを教えてくれました。

    自分たちが日ごろ口にしているのは命なのです。
    決して工場で生産されているわけではない。
    命を奪うことの営みと、命を食べることの営みを結び付けて、何が大切なんだろうと語りかけます。
    動物愛護と肉を食べていることの矛盾をどのように乗り越えるか、森さんなりの優しさで語っています。

    精肉業者は殺し屋ではなく、人々が必要としている肉を作るために働いている人たち。
    蔑まれる人たちではなく、自分たちのために働いているのだとも語りかけます。
    精肉の話から、話は差別問題に変わりました。
    かつて、精肉で働く人たちは差別され、忌み嫌われる存在でした。
    部落問題、非人、穢多…、レッテルを張ることで社会的に苦しめてきました。
    でもかつては河原乞食といわれた芸能者は、いまではアイドルであったりスターであったり、とても高い評価を得られるようになってきているではないか。
    みんなが平等だと学ぶ子どもたちに、大人たちが犯してきた過ちを素直に語っています。

    いつの間にかとても大きな問題提起となってしまいました。
    森さんはこうも言っています。
    「自分で見ることが必要だ。事実は語られるところから、語る人のフィルターを通したものとなるのだ。」
    素晴らしい言葉です。

    奥深いから、人々は知ろうとしないのでしょうか?
    この本を読んで、思い切り反省させられた私でした。

    投稿日:2011/11/04

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