地球の陸地の8分の1を占める広大な国、ロシア。その中で、黒海に近い地域の6人家族をモデルに、普段の食事や年間の行事食、地域ごとの特徴を紹介する絵本。巻末には日本でよく知られたロシア料理のレシピ3つつき。
長く厳しい冬を想定した保存食作り。暖房のついでに料理もする知恵。夏場は休暇で別荘(ダーチャ)で野菜作り。
専業農家でもないのに、自分たちで野菜も作って、それを保存食に加工して、地下室に大量に溜め込む。生き残るための工夫と努力を惜しまない生活。しっかり地に足をつけた生活が逞しい。
ペチカやサモワールなど、言葉だけ知っていたものが、実際は暖炉のことだったり、お茶沸かし器だったりして、驚いた。どちらも寒さ対策で生活に重要なもので、特に暖炉の脇に壷に入れた食材をおいて置き、スープや煮込み料理をつくる様子が、私の田舎の祖父母との暮らしを思い出して、妙に懐かしく、共通点を感じた。
自分の田舎(日本)では、石油ストーブの上の部分にやかんや鍋を載せたり、もちを焼いたり、芋を焼いたりしていた。昭和の懐かしいド田舎の暮らし。物を大事に使い、何でも工夫する暮らしは世界共通の感覚なのだとわかってうれしかった。