読み継がれる海外の名作「ぼく にげちゃうよ」も
私の大好きな絵本です。
子どもが母から離れるための空想の会話。
お魚になるなどの飛んだ発想に母が付き合います、
そして・・・やっぱり母のそばを選ぶのです。
洗練された構成、母の愛が眩しい物語です。
そして新たに作られた今回の「ぼく つからないもん!」
訳と絵が違うとこんなにも印象が変わるのですね!
ほんわかした絵で描かれていて、
探し絵みたいになっているページもあります。
「ここにいるね!」「あっ本当だ」
絵本のうさぎ親子の会話に導かれて、
読み聞かせのわたしたち親子の会話も広がるのです。
毎回変身する子どもに合わせて
母が猟師や探検家になるのですが
その装備が絵となって一覧絵になっているところが特にいいです。
こういう絵が親子で大好き。
こんなもの持って行くんだね、
また違った会話の広がりがあるのです。
この絵本のお母さんは子どものふとした思いつきに
全力で乗っかっているんだなぁと感じるページでもあります。
色鉛筆で描かれた
黄色い原っぱの柔らかい雰囲気。
絵も発想も可愛いです。
あの名作をこういう風にも広げることができるんだという
新鮮な発見があります。
(もちろん本作が初めてでも楽しめると思いますよ)
より肩のチカラを抜いて読めて、
様々な楽しみ方ができる工夫が絵や訳にされてあると感じます。
子どもの会話って
「なに言ってるの?よくわからないなー」と
忙しいとついつい適当に流しちゃいがち。
そんな会話も母がこんなに素敵に対応すると・・・
二人の間も深まるし、
その時間もかけがいのない豊かなものになるんだね。
ぜひゆっくりと親子で読みたい絵本です。