小さい頃から、大きな青空をながめるのが好きでした。雲にのってどこかに行きたいなぁーとよく思っていたことを、思い出します。雲よりも高い山に登って、その頂上から雲に飛び乗ってと想像がふくらんだものです。大きくなるにつれ、知識がふえるとそれはかなわないことなんだとがっかりしました。
そんな、幼い日々を思い出しながら子どもと一緒に読みました。
今は、引っ越してだれもいない空家に猫と男の子が入っていきます。そこの庭には、きれいな梅の木が満開をむかえていました。その木の下で、女の子とおままごとをしていたのを思い出し、猫に語りかけると猫が梅の枝を持ってきました。女の子は、遠くに引っ越して持っていってあげれないよというと、猫の口笛で空の馬の形をしたくもが、一匹おりてきて背中にのせてくれ、女の子を訪ねます。
どこにいるのか分からないけど、赤い屋根のいえから一人の女の子が出てきて、それがよく遊んだ女の子だと分かると、梅の枝を空からその子に届きますようにと祈りながら落とします。
昨日の出来事や、梅の花・女の子のことを考えていると、女の子から梅の花の押し花と不思議な出来事があったけど、字がよくかけるようになったらお手紙しますという、お便りがきます。男の子も、早速女の子に不思議な出来事があったけど、字がよくかけるようになったらお手紙しますという手紙を書きます。両方が同じ不思議な体験をしたのだけど、それを伝えるだけ字がかけないはがゆさ。しかし、くもうまさんのおかげでまたつながる事ができたという喜びが伝わってきました。
この頃は、メールや電話で用件を済ます事が多くなりましたが、時間はかかってもポストに自分宛のお便りがあるのはうれしいものです。そんなことも、ふっと思わせる不思議な余韻のある絵本でした。